現在,建設業界では,様々な課題を抱えており,その対応が求められている。
なお,一部を例示すると,次のとおりです。
(1) 建設業における担い手不足について
我が国は,少子高齢化が進む中,また,建設業界では,厳しい状況が続いたため,業界の魅力が低下し,現場の技能労働者の高齢化や若者の減少といった問題が生じており,建設業界の担い手不足が喫緊の課題となっている。
(2) 社会資本の更新について
国(国土交通省)では,高度経済成長期に整備された道路や橋が一斉に更新時期を迎え,長寿命化を図らなければ,2037年度には,維持管理・更新だけで,現在と同じ規模の公共事業費となり,新規事業ができなくなると試算している。
そこで,国(国土交通省)は,インフラ長寿命化計画を策定し,建設構造物を定期的に点検・診断し,異常や致命的欠陥が発現する前に速やかに対策を講じることにしている。
(3) 建設業における時間外労働上限規制の適用について
平成31年4月施行の改正労働基準法により,建設業においても罰則付き時間外労働上限規制の適用が令和6年4月に迫っており,建設業における働き方改革の更なる推進が求められている。
(4) 建設現場での生産性の向上について
建設業の働き方改革を進める上で,発注者による理解・協力に加えて,受注者側にも生産性向上の自助努力が求められており,これを受け,国(国土交通省)では,平成28年度から建設現場の生産性を向上させる「i-Construction」(建設現場のあらゆるプロセスにICT技術を導入して,生産性向上や経営環境の改善などを行うためのプロジェクト)の取り組みを進めている。
また,建設企業が先進的な経営戦略(業務の多角化やITツールの活用等)等により,経営を効率化させることも有効とされている。
更に,平成29年7月,国(国土交通省)では,「建設産業政策2017+10」を公表し,労働人口の減少やAI・IoT技術の発展などの環境変化の元で「生産性」を高めながら「現場力」を維持するため,例えば,今後は,十分な人材を確保できない可能性を踏まえ,AIやIoTなどの技術を活用して生産性向上を図ることが必要であるとされている。

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